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スタートアップがCFO無しでのファイナンス、どうしたか?

続・回想録。シードラウンド(初めて)の資金調達をする際に、ファイナンスのプロ(CFO)がいるチームは稀のようです。我々のチームも御多分に漏れず、CFOはいませんでした。


最低でも事業計画とキャッシュフロー計画表、資本政策が必要でしたが、右も左も分からない。暗中模索の中で、あるメンターからフォーマットを頂き、見よう見まねで埋めていきました。


事業計画には、いつ、何をやるのかを。それを実現するため、キャッシュフロー表に、何にどれだけの予算をつけるのかを。そして、最も難解な資本政策。上場までのプロセスで、いつ、誰から、いくらの調達をする予定なのかを描く。


投資家はこの三点セットを一目見ただけで、その経営陣の状況やビジョンの大きさ、ビジネスの解像度、投資先への考え方が、手に取るように分かるらしいです(笑。


正直、これらに正解は無いのだけど、経営者が自分自身の言葉で、全て明確に説明できなければなりません。キーワードは蓋然性ですが、私は、正しさというよりも、事業への真摯さを見られているものだと感じました。


この面談は、まさに一期一会の真剣勝負。貴重な投資家の皆様との面会は、そう何度もありません。

その練習として、最初に取り組んだのは、度重なるピッチイベントへの参加でした。ただ、そのうちピッチイベントだけでは、全く足りない事に気づきました。


ピッチでは、短すぎます。ピッチをして興味を持ってもらった後の「事業説明」が重要です。プレゼンのパフォーマンスだけでなく、納得できるエビデンスを語る事が必要なのです。これも慣れが必要でした。


そうなってからは、VCやエンジェルへの直接アポイントを取りまくりました。全部数えると、30名以上。まだ、多い起業家もいるそうです。


そこで毎回、宿題を頂くわけです。質問は全て書き留めて、回答を準備します。そこで反論出来なかった事については、事業を進めて「エビデンス」を創造します。無いものは創れ!です。


事業を進歩させる事が、解決に繋がります。答えれなかった事を、実績で埋め合わせて、再度持ち込むネタとするのです。無限ループとも思えるその繰り返しの中、少しずつ投資家の反応が良くなっていきます。


最後に、「バリエーション」という投資家からの企業価値評価や、投資家に渡す比率「シェア」を、自分たちの望むポイントまで擦り合わる事ができて、初めて投資契約書に進みます。時に「妥協」も必要なようです。


ここで初めて投資の内容交渉に移るのですが、、、ここは個別具体的な話になるので詳細は省きます。

少し長くなりましたが、この体験さえもスタートアップ人生からすれば、シードラウンドという初めの一歩に過ぎません。本当に起業とは長い長い旅、人生のようです。


こんな自分を支えてくれたチーム、家族、友人、そして出資を決定して頂いた投資家の皆様に感謝して、これから本番に臨みたいと思います。




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